22 февраля 2014 года в22.02.2014 06:34 1 0 10 1

驚くことはないさ

一寿  驚くことはないさ。お前だつて、亭主を持つたらおんなじこつた。 悦子  違ひますよ。いくらなんでも、かういふ(頸と肩とを同時に寄せて行く科を作つてみせ)真似は、あたしにはできつこないわ。あんな恰好、何時の間に覚えこんだか、訊いてやらうか知ら……。 一寿  また、また! お前も近ごろ、ずばずば云ひ過ぎるよ。あいつはあいつでいいぢやないか。わしも、お前も、あいつの世話になつてるわけぢやなし、苦労はめいめい、有り余るほどもつてるんだ。それみろ、お前は痩せたぞ、この節……。 悦子  云はないでよ、それ……。自分にもわかつてるのよ。どこまで痩せてくか、黙つて見てて頂戴よ。これで、どうにもならないんぢやないの……。 一寿  苦にしちやいかん、苦にしちや……。人生は、ひらりとからだをかはすものの勝利だ。神谷をみろ、神谷を……。あいつが、からだをかはし損つたのは、細君だけだ。そのほかのことは、こいついかんとなつたら、その場で、なんの躊躇もなく、ひらり、ひらりだ。わしもそいつを喰つた一人だ。ああなくつちやならん。どうしたんだ、え? 妙に沈んじまつたぢやないか? 悦子  あたし、お水一杯ほしいわ。汲みたてない?(一寿が起たうとするのを止めて)いいわ、いいわ、あたし、行つて飲んで来るから……。コツプ貸して……。(戸棚へ行つて、自分でコツプを出す) 一寿  わしが持つて来てやらう。 悦子  いいのよ、さうしてらつしやいよ。 女房の妬くほど亭主もてもせず

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NYOUBOU — 女房の妬くほど亭主もてもせず

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